皆様いかがお過ごしでしょうか?
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🌈「妊希情ブログ」🌈をいつもご覧頂きありがとうございます。
今回は「性交と着床率」についてお話していきます。
意外と知らない、聞きづらい、今更聞けない「将来の妊娠に整理しておきたい正しい情報」についてわかりやすく解説していきます。
当院では、問診の中で毎月どれぐらい性交をされていますか?とお尋ねすることがあります。ん!?...えーと...ちょっと答えずらいですよね。恥ずかしいですよ。
「排卵にあわせて1~2回ぐらいかな」
「人工授精をしているのでしていません。」
「体外受精をしているので最近はしてませんね。」
「共働きでなかなかできてないですね」
「旦那が単身でタイミングがあわないんです」
「年齢的に回数が減ってきてます」
「そういう気持ちになれないですよ」
とお答えする方が多いです。
デリケートで話しづらいことかもしれませんが、子供を授かる、命を育むためにとても大切なことです。
当院では排卵期の性交だけではなく、なるべく多く性交回数をとるようにお勧めしております。
じゃー先生どれぐらい回数をとればいいの?と聞かれます。
「5回!月に最低5回以上とりましょう!」とお伝えしております。
え!え!!5回は...きついなーと思われる方もいるかもしれません。
なぜ性交回数を多くとることをオススメしているかを今回お伝えしたいと思います。
アメリカ生殖医学会は学会見解として、妊娠する力に最も影響を及ぼすのは「女性の年齢」で、その次が「性交回数」であるとして、毎日性交することで周期あたりの妊娠率が最も高くなるという研究結果を紹介しています。
一般的に性交が妊娠率上昇に関係するのは、タイミングが合いやすくなるだけの理由ではないのです。それ以外の人工授精や体外受精の状況でも、性交回数が多いほうが妊娠率が高くなるという研究結果が報告されています。
つまり性交が妊娠率に影響するのは、自然妊娠だけでなく、たとえ、人工授精や体外受精、顕微授精を受けていても、同じことが言えるかもしれないということです。そして、性交は、妊娠率だけでなく、妊娠、出産の合併症リスクの低下や胎児の健康にまで影響するとも言われています。
【精液は着床環境を免疫的に整えるスイッチをオンにする!?】
<オーストラリアとスペインで体外受精の移植日前後の性交と妊娠率を調べた研究>
移植直後の性交は子宮の収縮を招き、着床の障害になったり、感染の原因になったりする可能性があることから、移植後の性交は控えたほうがよいという考え方があります。
ところが、その一方で、射精された精液が子宮や卵管などの女性の生殖器官に触れることで、女性側の着床環境が免疫的に整うことが動物実験で報告されています。
そもそも、女性にとって受精卵は「異物」であり、本来は免疫機能が働き、排除されるのですが、妊娠時には、不思議なことに「異物」を排除しないで、受け入れるように免疫が働きます。そして、そのスイッチをオンにする役割が精液にあることが動物で確かめられています。
そこで、アデレード大学の研究グループは、人間にも同じようなメカニズムが働くのかもしれないと考え、478周期の体外受精の1343個の胚移植で、移植時期の性交の有無による治療成績を比較しました。
その結果、治療周期あたりの妊娠率には差はありませんでしたが、妊娠に至った胚の割合は移植時期に性交があったほうが高いことがわかりました。
もう1つの調査は
<性交や精液の注入と妊娠率の関係を調べたメタ解析(過去の複数の研究のデータを収集、統合し、統計的方法による解析)>
トータルで7つの無作為比較対象試験(被験者総数2,204名)では、性交があった、もしくは、精液を注入したカップルのほうが妊娠の確率が23%高かったことがわかりました。
人間においても、精液は女性の生殖器官で着床に有利な免疫的働きを促すスイッチをオンにするのかもしれません。
【性交そのものが着床環境を免疫的に整えるように促す!?】
<インディアナ大学のキンゼイ研究所で、精液だけでなく、性行為そのものも免疫システムに影響を及ぼすのかを確かめた研究>
30名の女性に、月経サイクル中の月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4回、唾液を提供してもらい、唾液中の生殖ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)や2種類のヘルパーT細胞(Th1、Th2)が放出するサイトカイン(IFN-γ、IL-4)を測定し、それぞれの値の月経サイクル内の変動と性交との関係を解析したものです。
その結果、性交のあった女性では、黄体期に妊娠に有利に働くサイトカインが優勢でしたが、性交のなかった女性ではみられませんでした。
またコンドームの使用の有無に影響を受けなかったことから、性交そのものが、月経周期中の免疫反応が妊娠に有利に働くのが示唆されます。
【精液は妊娠合併症のリスクや胎児の健康にも影響を及ぼすかも!?】
<ニュージーランドとオーストラリアで、カップルの性行回数と妊娠後の子癇前症やSGA(子宮内発育遅延)との関係を調べた研究>
2,507名の初産の妊婦を対象にパートナーとの性交回数と子癇前症やSGAの発症との関係を調べたところ、性交回数の少ないカップルほど子癇前症やSGAの発症リスクが高いことがわかりました。
これは、女性の生殖器官がパートナーの精液に触れる頻度が高くなるほど、女性の生殖器官が妊娠合併症のリスク低減や子宮内の胎児の成育に有利な状態になることによるのではないかとしています。
【性交は妊娠の方法に関わらず妊娠、出産に有利に働くかも!?】
自然妊娠では性交回数が多くなるほど妊娠の確率が高くなるのは理解できますが、人工授精や体外受精、顕微授精では、もはや、性交は不要と考えている人が多いと思います。
ところが、上記のような研究調査によると、「膣内射精で精液が女性の生殖器官に触れること」や「性交そのもの」が女性の身体が妊娠や出産に有利に働くメカニズムが備わっている可能性が大きいことが報告されています。
その様な結果から、排卵期だけにあわせた性交だけではなく、それ以外にも性交をすることや生殖補助医療を受けていても性交をすることは「良いこと」になるのです。
※ただしプラスの要因だけではなく、マイナスの要因もございますので下記に記載をご参考ください。
<マイナスの要因>
・性交渉を契機として細菌が入り、子宮内感染を起こす。
・精液中に含まれるプロスタグランジンが子宮収縮を惹起する。
・女性のオーガズムが子宮収縮を惹起する。
参考文献
1)Hum Reprod. 2000; 15: 2653
2)Hum Reprod Update. 2015; 21: 275
🍀テル先生からの一言☺️☝️
排卵期だけにあわせた義務的な性交だけではなく、普段からパートナーとのスキンシップを積極的にとっていきましょう!
<当院の思いとは>
一人でも多くの方の希望に、そしてそのお腹の中に命が授かり、元気な赤ちゃんをその腕で抱きしめてもらえるようお手伝いさせていただきます。
<選ばれる理由>
当院の不妊治療専門の鍼灸師や子宝カウンセラー、医薬品登録販売者は学会や研修会などに積極的に参加し最新の高度生殖医療、より専門的な不妊治療の知識を深め、日々の治療に活かしています。
<再現性のある治療を追求>
当院では最新の不妊治療の知識とEBM(科学的根拠にも基づく医療)に基づいた鍼灸治療と漢方治療を提供しております。また脳科学に基づいたメンタルヘルスを治療に導入しており、治療効果を高めております。
<鍼灸と漢方は治療効果を高める!>
当院で行っている不妊専門の治療は、EBM(科学的根拠にも基づく医療)に基づいた再現性のある鍼灸治療と漢方治療を提供しております。今までのデータを集約すると、「鍼灸治療だけ」の人よりも「鍼灸+漢方治療」の人の方が早い段階での体質改善につながり妊娠率が高まる結果が出てきております。特に遠方から来院される方や仕事などで忙しくて鍼灸治療に定期的に通えない方には、自宅で簡単にできる漢方治療をオススメしております。
2019年もたくさんの方の子宝相談や治療に携わることができ、心温まる声をいただいております。
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